婚約指環は手錠の代わり!?
「は、はいっ!」

完全に油断していたところ、後ろからいきなり肩をたたかれて、軽く飛び上がってしまった。

「うわっ、びっくりした」

「あ……はぁ、すみません」

振り返ると、ショートヘアの女性がふわふわ笑ってた。
たぶん、二課の人間じゃないし、もちろん三課の人間でもない。

「武本さんにいじめられて困ってる、芹口さん、だよね?」

「はぁ、まぁ、……そうですけど」

うわっ、この人、にこにこ笑ってずけずけ云うタイプの人だ!
そして改めて人から云われると、なんかへこむ……。

「私、一課の新橋。
よろしくね?」

「よろしくお願いします……」

……えっと。
どうして一課の方がここに?

「高見くんがヘルプ出してきたからねー。
確かに、右も左もわかんない新人ひとり、放り出しておけないし?
一応、同じ部内だし?」
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