好き、禁止。
「まあでも、もうちょっと考えたらいいんちゃう?灯里の気持ちがいつ変わるかもわからんしな」
「うーん……、うん、そうかなあ」
「そうそう」
でも一度断ったのだから、神月くんだってもう次の恋愛に進んでいるかもしれない。今頃、同じ大学の誰かに告白されているかもしれないし。
「あ」
「ん?」
そういえば。
あの日、夜の公園で私が神月くんの告白を断ったとき、彼が気になることを言っていたのを思い出した。
月明りに照らされてしっかり見えた、まっすぐに私を見るあの顔。
「"じゃあ俺のこと好きになったら付き合ってくれるんですね"って言われた」
「……さすがかっこええなあ」
真剣な表情で私の手を握ったままそう言った神月くんが、頭の中に鮮明に浮かんでくる。
それはまるで、「絶対に俺の事好きにさせてみせます」とでも言われているようだった。
「本気やん」
「ねえ、ほんとに不思議なんだけど。どうして私なんだろう」
「知らんわ、本人に聞けや」
かゆいかゆい、と言いながらようやく箸を持ち直した宗ちゃん。冷たい。
「これからもどうせバイトで顔合わせんねんで。変にぎくしゃくすんのやめてや、見てて恥ずいから」
「……はい」
そうなのだ。さっそく明日、告白されてから初めて神月くんとシフトが被っている。
自然に振る舞えるだろうかと、今から心配になってしまった。