過保護な副社長はナイショの恋人
そして、それから一週間後の日曜日。私は一翔さんからプロポーズをされた。

私たちのスタートになったソフィスティホテルのバーで、彼から大粒のダイヤの指輪を贈られ、言葉にならない幸せを感じる。

「結婚しよう、咲実。俺は、これから先も、ずっと咲実に側にいてほしいから」

「はい。よろしくお願いします……」

どうしよう、涙が溢れて止まらない。そんな私の涙を指で拭った一翔さんは、優しく微笑んでくれた。

「咲実、愛してる……」

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「ま、まさか咲実が副社長の恋人だったなんて⁉︎」

「ごめんね、黙ってて……」

驚きの声を上げたのは、あやめだけじゃない。吉原さんを始めとして、一翔さんを本気で狙っていた女子社員の悲鳴が上がった。

こうやって、会社で私たちの関係がオープンになったのも、一翔さんとの結婚が決まったから。

雅也先輩も、本当に驚いていたけど、「相手が副社長じゃあ、フラれて仕方ないか」と言っていた。

私は、結婚を機に仕事を辞める。やっぱり、旦那さまが副社長で、その会社で妻である私が働いては周りが気を遣ってしまうから。

だから、退職を決意したのだけど……。

「咲実、手が震えてる」

クックと笑った一翔さんに、私は口を尖らせた。

「だって、緊張するんですよ。婚姻届を書くのって……」

役所で貰った婚姻届を、一翔さんのマンションのリビングテーブルで書いている。

私は息が止まりそうなくらいに緊張しているのに、一翔さんはさっさと名前を書くのだから悔しい。

「それを書いたら、早く出しに行こう。今日から、咲実は俺の奥さんだ……」

一翔さんは私の腕を掴むと、唇を塞いだ。

「ちょ……。一翔さん、まだ途中……」

ペンが転がり、私はソファーに倒された。

「ん……。まだ……名前書いてないのに……」

それでも一翔さんは、キスを続ける。

「咲実の夢、叶えられたよな……」
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