夢見るキスと、恋するペダル
「しみる…」

両手を水で流し、次は右膝を出して蛇口の下に置く。

ローファーとハイソックスと脱ぎ、右脚を自由にさせた。


私のこと、ちょっとでも、女として見てくれているのなら。

そういう感情が自分にあるのを感じながら、スカートの裾に中指をかけて、足の付け根までゆっくりと引き上げる。

膝上10センチのスカートが上がって、右太ももが晒される。

ちょうどその前にしゃがんでいる航さんが徐に私から背を向けた。


気付かれた…かな。

後ろ暗い企みが。


親切心で接してくれている、今唯一信頼できる人間なのに…
その相手に、いろんなことをされる想像をしている私。


私を異性として見ていない大人の気を惹くために…スカートの中を、彼に見てもらおうとする子供。
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