夢見るキスと、恋するペダル
「航さん…」

「……もうちょっとスカート下ろして」

はぁと溜息をつき、小篠さんが立ちあがってしまった。
冷静に返されてしまって、顔が熱く、赤くなって、今さらながら羞恥心でいっぱいになる。


「…足、貸して」

小篠さんは立ったまま私の膝を水で流した。持っていたハンカチで拭いて、そのハンカチも水道で洗う。
ぎゅっと絞って、パンパンと爽快な音をさせながら洗濯物を干すように両手で振り広げてくれる。

「そこのブランコの柵に掛けとけば、10分もしないうちに乾くんじゃない。」

「…ありがとう」

恥ずかしい…。

スカートを上げるなんて。

告白するより恥ずかしかった。誰にも告ったことないけど。
恥ずかしくて顔が見られなくなってしまった。
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