冷酷な公爵は無垢な令嬢を愛おしむ
「だがあいつらは形振り構わず仕掛けてきた。俺はアストン子爵家を必ず潰そうと決めた。大元から絶たないと何時までもローナの危険が続くからだ」

 じゃあ、プラムの後にレイが忙しくなったのは……私の安全確保の為、走り回っていてくれたからなの?

「この先は私が話そう。以前から偽ティアナは、レイの事を気に入っていた。それを利用してレイにはティアナ嬢に近付いて貰った。相手の情報を探る為だ。レイは初めは嫌がっていたが、ローナ嬢にも危険が及ぶ可能性が有ると分かってからは、自ら偽ティアナに近付き、その手管で敵の情報を引き出してくれた」
「……それでレイとティアナ様が噂になったんですね」

 レイは思い出したくないのかとても嫌そうに顔をしかめている。

「周りは事情を知らないからね。かなり噂が広がってしまった。レイは何とか噂を消そうとしていたが……」

「何をしても無駄で、結局ローナにだけは噂が届かないように画策していたのよね。失敗してしまったけど」

 王太子殿下の言葉を引き継ぎ、エレインが言った。

「エレインが私にレイの噂を教えてくれなかったのは、そういう事だったのね」
「ええ。ローナを騙すようで嫌だったけど、今回は仕方なかったわ。相手が悪過ぎる。ローナは関わらないで済むならそうした方がいいと思ったのよ。ローナの友人達にも口留したわ。初めて話したけど、良い子達ね。事情も話せないのに、ローナの安全の為だと言ったら協力してくれたの」
「そうだったの……」

 良かった。
 私はエレインや友人達に気遣って貰っていたんだ。

「エレインごめんなさい。正直言うと、エレインの事疑ってしまったの」
「いいのよ、無理もない状況だったもの。私でも疑うわ。悪いのはキャシーよ。余計な事をローナに言って!」

 エレインは憤慨して、令嬢らしくなく声を荒げる。

 
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