空き教室の真ん中で
「う、くくく、壁さん、肩借りますよ」


壁に寄りかかりながらどうにかして体制を立て直す。
完全とは言わないが、何とか歩ける程度には立て直せたようだ。

「はぁーっ、これで気力と体力30は失ったね」


ブツクサとどうでもいいことを呟きながら、さっさと隣の棟へ行こうと歩みを進める。

その途中で視界の端に何かが映るのを見た。

――――え?


こんなところに人がいるとは考えにくい。
もしかして、もしかしなくても、幽霊!?


ぐぎぎぎぎと頭を横に向ける。



そこには――――――――――


「――――――っ」






声に出せなかった。美しい、いやカッコイイ?その男の子を見た瞬間、私の心は目の前の男の子でいっぱいになった。
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