東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
本当にいい男だな。

私じゃなくても別にいいような気がする。

「ホントですか?

わーっ、ありがとうございますー」

私の返事に、副社長は首を縦に振って喜んだ。

まあ、嬉しそうならばそれでいいか。

あれだけきた料理をほとんど完食したため、そろそろここでお開きにしようと言うことになった。

お会計を済まそうとカバンから財布を取り出した私に、
「すみません、ここは俺が払わせてください。

今日のことは父が言ったようなものですので」

副社長はどこかのブランドのメーカーが書いてある長財布を取り出すと、さっさと会計を済ませてしまった。

一緒に立ち飲み居酒屋を出ると、
「ありがとうございました」

私は副社長にお礼を言った。

「先日に父を親切にしてくれたお礼です。

俺もとても楽しかったです」

お礼を言った私に、副社長は言った。
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