きみは宇宙でいちばんかわいい
わたしをベッドに寝かせたあとも、柊くんはなぜかグラウンドには戻らず、傍らに座ったままでいた。
保健室の先生は救護テントのほうに行っているから、いま、この白い空間には、柊くんとわたしのふたりだけだ。
体育祭で、校舎のなかに誰もいないことも手伝って、保健室は普段の何倍も静かだった。
「あの……柊くん、ありがとう」
この静寂のなか、自分だけ横になっているのが妙に恥ずかしいので、なるだけ明るい声を出してみる。
答えるように、柊くんの優しいまなざしが、こちらへ下りてきた。
「ん、気分はどう?」
「んん……やっぱりちょっとだけ、気持ち悪いかも……」
「え、マジ? 吐きそう?」
「あっ、ううん、そこまでじゃないから、大丈夫。ありがとう」
枕に頭を擦りつけながら、ふるふるとかぶりを振る。
柊くんはあからさまに心配そうな表情を浮かべると、わたしの顔を覗きこむようにして、ためらわずに額を近づけてきた。
「なな、きょう、もしかしてずっと無理してた?」
「うっ、ううん、そんなことないよ。午前中とかね、ほんとに元気だったの」
どぎまぎしていることに気づかれないよう、なんとか平静を装って答える。