170回、好きだと言ったら。
○テルくん沢山抱きしめてください



その日の夜、先生の話を聞き終えた後、各自ホテルの部屋へ向かうと、あたし達も温泉に行ってから部屋に戻った。


就寝時間まで二時間と言ったところだ。
とりあえずトランプでもする?と首を傾げた小野瀬さんに、あたしは笑いながら頷けばいきなり携帯の着信音が響いた。


びくりと肩を震わせたあたしに、小野瀬さんは「もしかして…脅してる人から?」と不安げに訊ねてきた。

あたしは平常心を装いつつ、携帯を開けば、そこに表示された名前に目を見開かせた。


「ご、ごめん小野瀬さん! すぐ戻るっ」

「えっ…う、うん…! 何かあったらすぐ言ってね……?」


携帯のディスプレイに表示された名前は―三ヶ月以上会っていなかったテルくんだった。


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