170回、好きだと言ったら。



「…黙ってたのは悪かったと思ってる。
俺だって死ぬ覚悟はとうの昔から決めてたからな…。
でも、実衣の傍にいたかったから、手術頑張って成功した。再発する可能性も極めて低い…」



だから、とテルくんがあたしを抱きしめた。

少しだけテルくんの声が緊張していて、何を言われるのかと身構えれば、テルくんが大丈夫だと言わんばかりに背中を擦った。


「……全部片付いたら言おうと思ってた。
今日は丁度170日の約束の日だから、ちゃんとしたのも用意してやろうと思ったけど…今俺に出来るのはこんくらいだ」


あたしの手を握り締めたテルくんは、薬指に安物だと思われる指輪をはめた。


「…170回、好きだと言ったら…俺と結婚前提に付き合ってください」


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