170回、好きだと言ったら。



結構、予想していたカフェとは違い、正直綺麗とは言い難い程のお店だった。


くもの巣はあちこちにかかっていて、「OPEN」と書かれた木の看板も、今にも崩れてしまいそうだ。


「ほ、本当にここ? 小野瀬さん」

「わたしも…初めて来たから何とも言えないんだけど…合ってるはず…」


蔓(ツル)のようなものが店の壁に巻きついてあった。所々に綺麗な薔薇も植えてあったけど、それでもインパクトが凄い…!


「……あ? ンだ、お前達。客なら入れ、冷やかしなら帰れ」

「ひゃっ!!!?」


ぎしぎしと音を立ててドアが開き、そこから現れたのは薄汚れた男性。
思わず悲鳴を上げた小野瀬さんがあたしの背後へ回った。


えええ…! 小野瀬さん、あたしも背後に回りたいよ…!


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