キャンディ☆
「そうだ、林檎ちゃん。
 携帯見せて!」

泣きやんだ私に圭さんはそう言って
おどけてみせた。

「ん?」

不思議に思ったけど携帯を
カバンから出して渡した。

「あれ?林檎ちゃんのは
 そんなにすごくなさそうだね・・」

「ん?」

恥ずかしそうに彼は

「さっきロビンの携帯見てさ・・・
 なんかすっごいのだったから・・・

 俺の寝てる間に、世の中は
 進んだんだって思ったんだけど」
そう言って笑った。


私・・笑えないよ。
そんな小さなことでも、彼を苦しめるんだ。

「実は私の携帯って
 3年前と一緒のなんだぁ」

私は携帯を3年変えてない。
そんなのどうでもよかったんだもん。

「そっかぁ」
そう言って彼はうれしそうに私の
携帯を眺めた。
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