取り込む家
確実に、死んでいた。


手足を声を失い、出口のない屋根裏に閉じ込められている俺は、俺を失っている。


唯一好きな推理小説を読んでいても、昔ほど没頭できることはなくなっていた。


本来の自分が消えて行くのを感じる。


そんな中で、新しい自分が生まれるのも感じられた。


それは穴から2人の生活を見ることだった。


彼らにはなんの罪もない。


俺がここにいる事すら知らない。


そんな彼らを見ている時こそ、俺は生きていると感じられる瞬間だった。
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