2人の王女と2人の騎士


始めに意識し出したのは数年前の事に思える。



俺は騎士団長になる前、父親の知り合いのところで1年間修行をしていた。その間は城に行く事も一切なく、もちろんティアと会う事もなかった。

そして久しぶりに城へ戻り、もう少しで騎士団長就任が決まる頃…城内を歩いている時だった。





中庭のイスに腰掛けて本を読むティアがいた。

でも1年前に見た時とはまるで別人のように見えたのだ。


その横顔は大人の女性らしく、立ち居振る舞いは洗練されていて美しい。
王女としての風格が格段に上がり、更に磨きがかかったようだった。


その時は虜になったようにティアから目が離せなかったのを覚えている。





「クライド…?帰ってきたのね!おかえりなさい。修行はどうだったの?」


俺の姿に気づくと小走りで駆け寄って来て、近くで見るとティアの美しさがより鮮明に映る。

1年でここまで見違えるなんて…と衝撃を受けた。



「ただいま戻りました」


俺はティアに応えるように笑みを浮かべて、他愛もない話をしたのだった。

< 67 / 131 >

この作品をシェア

pagetop