私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
そうして過ごしているうちに、高陽さんが出張に出かけてしまった。
一緒に過ごしたのは短い間だけれども、いるはずの人がいないのは寂しい。
しげさんがいてくれてよかった。
こんな広い家で、一人きりにさせられるのは、何か出そうで嫌だった。
それから、
私は、何もわからず、妻の役目も果たさず彼を見送ってしまった。
出発してから後で、しげさんが出張の準備をすべて行ったと聞いて、顔から火が出るほど恥ずかしい思いをした。
なんという、いたらない嫁だ。
お手伝いさんに夫の下着まで準備させるとは。
「しげさん、そういうことって、妻である私がするものじゃないの?」
「お気にされなくて結構ですよ。慣れておりますから」
案の定、しげさんはすまして答える。
「なんでも、しげさんがやってくれると、私はここに入らないみたいね」
することといったら、高陽さんに笑いかけることくらいだなんて。
「そんなことないでしょう。この頃の旦那様のお顔見れば、奥様の存在の大きさがわかります」
「なに、たまには嬉しいこと言ってくれるじゃないの」
「奥様、それほど旦那様のことを思っていらっしゃるなら。
喜んで、しげが奥様にご教授させていただきます。
夜のおつとめ以外なら、何でも教えて差し上げますよ」
私は声を出して笑う。
「しげさんでも冗談言うんだ。面白そうね。いいわ。頑張るから何でも教えて」
「かしこまりました。そのかわり、後でやっぱりダメだとかいうのは、無しですからね」
「はい」