私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~
支度をしている最中に、高陽さんが戻って来た。
車の音がして、
彼が家に入ってくる気配を感じた。
彼が帰ってくるのは、明日だと聞いていたのに。
今日のうちに、ここを出て行けばいいと思って、私は支度を急いでいなかった。
彼が入ってくる前に家から出たい。
そして、慌てて家を出て行こうとして、
彼と家の中で鉢合わせをしてしまった。
「高陽さん……」
私は、智也と一緒に階段を下りようとしていた。
そこで、下からが上がってくる高陽さんと目が合う。
彼は、通り抜けようとする私の腕を捕まえた。
緊張した顔で、私を見てる。
「こっちに来て」
私は、彼に和室に引き戻された。
「奈央、体はもう、いいのか?」私の体を気遣いながら心配そうに見ている。
「はい、もう大丈夫です」
立ちくらみがしただけだから、横になれば回復していた。