私たち政略結婚しました!~クールな社長と甘い生活~

「普段は自信たっぷりに、なんでも決めてるように見えますけどね。ああ見えて、中身は、自信たっぷり何かじゃないのよ。繊細で傷つきやすくて。バカが付くほど真面目で。立場上、出来ないっていう事が言えなくて。あんなになっちゃって」

「あんなにって?」

「今度だって、一人で後悔してると思うわよ。あなたを説得するどころか、パニックになって怒り出して」

「すごい言い方ですね。あの高陽さんに向かって」

「生まれた時から見てるもの。どんなに表面だけ取り繕ったって、分かりますよ。
自分で、どうしていいのか分からないんじゃないかしら。
高陽坊ちゃまが、ああやって感情的になるのは、どうしていいのか分からないときですよ」

「しげさん」

「奥様も奥様です」

「私?」

「しげは分かってますよ。あんなふうに言ったのは、生まれて来る子供のことを、考えられてのことでしょう?奥様の気持ちは、あの鈍感男には通じませんよ」

「しげさん?」

「奥様の方から聞き出してあげないと、思う方向には進みませんよ」

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