「Love logic」だから僕は、誰も好きにはならない。

……夕暮れの交差点で、彼女の後ろ姿が視界に入った。

走って行き、その背中を捕らえた。

「……聖哉さん? どうしたの?」

振り返る彼女を自分の方へ向けさせて、スーツの胸の中に抱え込む。

「…え? どうしたの…本当に……」

横断歩道を渡った先で、

「……君のおかげだ」

囁きかける。

「……私のおかげって、何が? ねぇ、もっとはっきり言って……」

訊ねる彼女の顎に指をかけて、その唇を塞ぐように口づける。



< 141 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop