【短編】キスからはじまるカンケイ【完】
「元太!?」



ドアが開いたと思ったら元太が入ってくる。



「差し入れ」



元太があたしの隣の席にすわる。



「わぁ!ありがとう」



元太の持ってきた袋にはあたしが大好きなカフェラテとシュークリームが入っていた。



「さすがは元太。あたしが好きなもの分かってる」


「ハハッ。当たり前だろ。茜のことならなんでも分かるわ」


「ありがと」



元太はこうしていつも帰ったと見せかけて差し入れをしてくれる。



「あ、須坂さんもよかったら」



元太が須坂さんにコーヒーを差し出す。



「俺に?」


「はい!茜だけだと不公平だなと」



〝不公平〟と言うけれど
別に須坂さんはなんとも思わないだろう。



「別にそんなこと気にしないけどもらっとく。さんきゅ」



元太の手から缶コーヒーを受け取る。



「俺、ここで待っててい?」



あたしの隣の席にまた腰をかける。

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