あの夏の空に掌をかざして
最終章

運命の日

 ループする前と合わせて、300回目の日向の死の後、あたしは、またあの闇の中にいた。


 光に包まれることも、その後の感覚にも、もう慣れた。


 あの夢では、やっぱり男の子の顔は日向だった。


「っどういうことなの!?なんであんたは日向なの!!どうして、あたしは!っ少しも覚えてないの!?」


 遊ぶ二人を見て、抑えきれなくなったあたしは、遂に叫びだす。


 どうせ二人に聞こえることなんて、あるわけないけれど。


 でも、この怒りを、この想いをどこにぶつければいいのか分からなくて、あたしは叫ぶしかなかった。


「っっどうして…あたしなの!なんで!?もう嫌だよっっ!あたしばっかり…うっ……ふ…………ぐすっ…」


 堪えきれなくなった涙が、あたしの頬を生ぬるく伝った。


 あたしのそんな様子を知る様子もなしに、二人は楽しそうに遊んでいる。


 それに無性に腹が立って、どうしようもなかった。


 その時、幼い頃のあたしが、出口に向かって走り出した。


 ちっちゃい日向は、そんなあたしを追いかける。


 そしてーーーーーーー。
< 152 / 203 >

この作品をシェア

pagetop