あの夏の空に掌をかざして
 日向から体を離して、その瞳を真っ直ぐ見つめる。


「だから、日向は、幸せになって」


 語尾は声が震えて、自分でもよく聞こえなかった。


「それ、どういう意味?」


 日向が、訝しんでいる。怪訝な顔で、あたしを見つめている。


 ごめんね…だけど、あたしはそれを、言うことはできないよ。


 あたしは何も言わず、微笑むだけだった。


「もしかして、これと関係あること?」


「っそれ……は…」


 日向が取り出したノートを目に捉えて、あたしは動揺した。


 だって、ピンクと白のしましまで、はがきサイズの、そのノートは。


 急いでバックの中を確認する。小さなショルダーバックだから、すぐに見つかるはず。


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