あの夏の空に掌をかざして
 あれからあたしは、6日間頑張って宿題漬けの毎日を送った。予想通り、宿題を終わらせないと約束は反故という日向の言葉があったからだ。


 そのお陰で、あんなに溜まっていた宿題が、今さっき、漸く終わったのだ。


 そしてーーーーー。


「楓ー!どうしよ、明日だよ!日向との…きゃーー!!」


 嬉しいのと恥ずかしいのがない交ぜになって、叫ばずにはいられない。夜の10時だから自重はしないといけないと分かってはいるが、本当に嬉しかったから。


『宿題そんな短時間で終わらせるとかすごっ!そのご褒美だと思って、明日はめっちゃ楽しめばいいじゃん!』



「うん!ありがと楓、ごめんねいつもこんな時間で~」


 あたしが、良いことがあると、すぐに友達に言いたくなる性格なのを分かっているから、楓は何も言わないけど、やっぱり迷惑かななんて思ったりする。


『明日はこの前買った勝負服で、浜崎のことメロメロにしてこいよ!』


「メロっ…!?」


 楓の言葉に、頬が上気する感じがする。


 メロメロになんて出来るわけないけど、明日のあたしは、いつもと違うってこと、それだけは分からせる事ができたらな…。


『まあともかく、がんば!あかりなら大丈夫だよ、いつもみたいに接して楽しんだら、全部いい方向にいくから!』


 楓の激励に、気持ちがポジティブになっていく。楓がいうことは、いつもポジティブで、元気を貰える。


 あたしも見習わなきゃな……。


「うん!ありがとう!おやすみ、楓」


 いつもみたく、楓におやすみをして、電話を切る。


「ふぅー、遂にあしたなんだ!めいいっぱい楽しもう、それで、日向ともっと距離を縮められるように、頑張るんだ!」


 日課となったカレンダーへの印付けをし、バフッ、とベッドに倒れ込んで、あたしは自分自身にめあてを言い聞かせる。


 そして、心が落ち着いてきたとき、あたしは意識を手放したのだった。


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