『誰にも言うなよ?』
*
昼休み。
屋上で雅人を待っていたらレオがやってきた。
さては、つけてきたな……?
「モトコ、なんでそんな格好してるの?」
「アンタが破ったからでしょ」
「もしかして新しいの用意できないの? そんなにお金ないの?」
哀れむような目でこっちを見るんじゃない。
「……放っておいて」
そりゃあお坊ちゃんからみたら、わたしは超貧乏なんだろうけど。それなりに幸せな生活を送っている。同情される筋合いは、ない。
繕って明日には着てきてやるよ。
「ボクが買ってあげようか」
「え?」
「欲しい? 新しいセイフク」
「……わたしの制服より自分の制服買った方がいいんじゃない?」
なんなのそのパーカーは。規定の服を着ろ。
いきなり用意できないにしても、なんかもっとこう、あるでしょう。