『誰にも言うなよ?』


狼谷先生の仕事って――。


「アイツが本気出せばあの店を潰すことなんて容易いんだよ。仲間呼べばおっかない連中がバイクに乗ってゾロゾロとやってくるからね。当然そいつらは合法的に戦うような連中ではない。今夜ここで死人が出ても不思議じゃない」

「先生を、止めなきゃ……」

「心配いらないよ。修羅場なんて幾度となくくぐってきただろうし」

「でも、」

「ボクたちが行けば迷惑かけちゃうってわかるよね?」

「……うん」

「なら、カミヤがひと仕事終えて帰ってくるの待とうよ。今度はボクたちでも入ることができるカフェにでも向かってさぁ。なんでも頼んでくれていいよ」

< 232 / 540 >

この作品をシェア

pagetop