『誰にも言うなよ?』


ぶわっと風が吹いた、


次の瞬間――。


「……っ!?」


頬に、キスされた。


「ちょっ……!」

「ほっぺたならセーフでしょ」

「アウトだよ!」

「このくらいでキョドるんだもんなぁ。モトコは」

「このくらいって言うな、」


なんなのよ。


「悔しいなぁ。ほんと、悔しい」

「…………」

「どうして励ましちゃうんだろう。モトコの背中なんて死ぬほど押したくないのに。協力したらきっと……」


なにか言いかけて言葉を呑み込んだレオ。


「……レオ?」

「これだけは、言わせて」

「うん」

「自分から望みを捨ててどうするの?」


――!


「自信なんてさぁ。ボクは、とっくにないんだよ?」


(え……?)


「それでも、キミの傍にいる」

「…………」

「ボクの怖いものがなにか一番わかってるの、モトコなのに。無敵で怖いものナシなんて思われてるんだもんなぁ。へこむよ」


レオの

怖い……もの……?


「今だってほっぺにチュウするので精一杯」

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