『誰にも言うなよ?』



恋人がいいな……って。


そんなことを考えてしまったが。


――ボーダーラインは守れっての。


さっきの先生の言葉が、引っかかった。


「聞いてよお兄ちゃん」

「……!」


妹モードに切り替わったわたしに、少し驚いた顔をする先生。


「わたし委員長なのに文化祭の実行委員まで任されちゃったんだよ?」


どんなもんだ。

わたしの熱演についてこれるかい、お兄ちゃん。


「……そうかよ。そりゃ大変だな」

「!!」


ふっと笑顔を見せた先生に、内心ものすごくときめいてしまったわたしは完全に妹失格だ。

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