fantasista
前半八分。
飛び出したボールを戸崎がヘディングし……
ボールはまっすぐにゴールに向かう。
誰もが得点に期待し、スポーツバーが湧いた。
誰もがその名前を叫び、あたしはぐっと拳を握る。
だけど……
そのボールはゴールキーパーに弾かれてしまう。
「すげーな、戸崎柊!」
大迫さんが唸った。
「山形にはもったいない」
「……え?」
思わず大迫さんを見る。
だけど、大迫さんはそれ以上何も言わなくて。
何かの間違いだと言い聞かせた。