fantasista
びっくりするあたしの前で、舞さんが大迫さんの頭を叩いた。
そんな様子をぽかーんと見る。
叩かれても大迫さんはビクともしていなくて。
「山形にサッカー選手の食事なんて作れねぇよ。食事作るなら俺に……」
「バッカじゃないの!?」
とうとう舞さんが声を荒げて大迫さんに告げる。
「相手が誰であろうと、みどりちゃんは真剣なんだから!
いちいち傷つけるようなことを言わないであげて!」
「あの……」
あたしは恐る恐る声に出す。
「あいつのこと……
あいつが誰か、知ってるんですか?」