fantasista




あたしは錠剤と水を口に含む。

そして……

そっと戸崎に唇を寄せた。





唇を開けて、水と錠剤を流し込む。

あたしの口元から水が溢れ、戸崎のシャツを濡らしていた。

我ながらなんてことをしているんだろう。

真っ白になりゆく頭の中で、自分の行動に驚いていた。





ただ、ひたすら戸崎に酔った。

まだ何もされていないのに、身体の奥底がきゅんきゅんと疼いている。

まるで、抱かれているかのように。


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