fantasista
意外と楽しい時間だった。
女子たちを完全に信じた訳ではないが、女子たちはあたしに特に何も言ってこなかった。
むしろ、戸崎とよりを戻せて良かったなんて笑顔で言ってくれた。
そんな様子にホッとしたんだ。
五年の間に変わったのは戸崎だけでなく、それぞれ大人になっているのかもしれない。
そしてあたしは……五年前と何か変わったのだろうか。
時計を見ると、夜の九時半を指している。
そろそろ一次会が終わる時間だ。
二次会まで行くつもりはもちろんなく、
「化粧直してくるね」
あたしは席を立った。