fantasista
家に帰って双子の妹の柚に聞く。
「みどりちゃん、あたしも連絡が取れなくて困ってるんだぁ」
柚は俺を見て顔を歪めた。
「柊がみどりちゃんのこと大切にしないからじゃない?
柊のせいで、みどりちゃんは一人で出て行ったんだよぉ」
「はぁ?俺が大切にしねぇ?」
俺は柚を睨んでいた。
柚のくせに俺を馬鹿にしやがって。
俺は山形のこと、今までになく大切にしていた。
さっぱりした山形が嫌がると思って恋愛感情は表に出さなかったし、抱くことだってしなかった。
そんな童貞みたいな状況で、一年半も付き合っていたんだぞ?
俺、すげーじゃん。