fantasista

大好きな戸崎と一緒に、寄り添って色んな話をした。

どんな仕事をしているかとか、どこに住んでいるかとか。

この五年間の空白を埋めるように、たくさん話をした。





そして……





「この前のアスールの試合、観に行ったよ」




ようやく戸崎に告げる。




「戸崎……すごくかっこよかった」






だろ？俺様天才。とか、かっこいいのは分かってんだ。とかいう言葉が返ってくると思っていたのに、






「ありがとな」




戸崎はあたしの髪を撫で、嬉しそうに微笑む。

その笑顔にやられてしまう。

胸がおかしいほど甘い音を立てる。





「山形が観てくれてるなら、もっと頑張れたのに」





あれ？

戸崎って、こんなに甘くて優しい男だった？

ウザい俺様じゃなかったの？