fantasista
だけど……
「山形。夕食でも食いに行くか?」
「すみません。
あたし、予定があるので」
山形は俺になんて靡いてくれない。
いや、誰にも靡かない女だった。
先輩の舞さんに気に入られ、舞さんとはいつも一緒に飲みに行ったりしていたのに。
……そんな調子だから、俺は舞さんに相談した。
「みどりちゃん?
……大迫君には難しいんじゃない?」
舞さんは相変わらずピシャリと酷いことを言う。
だけど、そんなこと舞さんに言われなくても分かっていた。