先生、私また風邪を引いたみたいです!




こんな風に一緒に歩くのはいつ振りだろう



懐かしいな



「みなと、大丈夫か?」



私の歩幅に合わせてゆっくり歩くのえるが学校を出てから初めて口を開いた



「何が?」



何のこと?



「ごめん、さっき莉央ちゃんから聞いた。こないだ学校帰りに…」



のえるは少し気まずそうに頭をかいた



あぁ、あの事件か



「…大丈夫だよ」



「そっか…、良かった」



のえるは後ろから来た車を気にして私の手を取り歩道側を歩かせるように誘導した



こういうさり気ない優しさも懐かしい



のえるが一歩先を歩く



すらっとしてる後ろ姿も



靴をすって歩く足音も



風でふんわり匂う香水も



何だか全てが懐かしい
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