溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「九条さんは、いつから永井さんの秘書をされているんですか?」
「社長が起業された頃から、ずっとお世話になっております」
「……七瀬さんという方はご存知ですか?」

 こうして私を迎えに来るくらいだ。もし、七瀬さんを大切に想っていたなら、同じようにしていたかもしれない。


「ええ、存じ上げております。これ以上は社長のプライベートですので、私の口から申し上げることはできません」
「分かりました」

 きっとそうだ。この前話していた七瀬さんは、永井さんの大切な人で……。
 だからこそ、九条さんだって知っているのだろう。



「いらっしゃい」

 社長室を訪れるのは二度目。
 きっと何度来ても慣れることのなさそうな、シンプルながらも豪勢な雰囲気の漂う室内の一番奥のデスクで、永井さんは私を待っていた。



< 108 / 378 >

この作品をシェア

pagetop