溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 カードキーで解錠した玄関ドアの先には、私の自宅のキッチンよりも広い玄関があった。どこに靴を脱いだらいいのか迷うほどで、永井さんに倣って隣にパンプスを脱いだ。正面と左右に分かれている廊下は、迷路の入り口みたいだ。


 傍らにあったスリッパを履いて、永井さんの後を追う。
 彼が開けた正面の通路の先にはドアがひとつ。その向こうには、何畳あるのかすらわからない広々としたリビングがあって、床から天井までの大きな窓に囲まれている。
 近付くと眼下の景色に足が竦むけれど、見上げると何にもさえぎられていない都会の空が広がっていた。


「素敵なお部屋ですね」
「そう言ってもらえてよかったです」

 とはいえ、見ず知らずの男性とふたりきりでいるから居心地はよくない。


「お互いのことを知らないと生活しにくいでしょうから、少し話しませんか?」

 未だ緊張の解けない私を、永井さんはソファに呼び寄せた。


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