溺愛CEOといきなり新婚生活!?

「お答えにならなくてもいいので、確認させていただいてもいいですか?」
「はい」

 黙り込んでいる私を見かねたのか、永井さんはゆっくりと口を開いた。

「上遠野さんは、同棲のご経験はありますか?」
「……いえ、一度もありません」
「そうですか」

 普通は、一度くらいあってもおかしくないのかもしれない。現に、私の周りにいる同僚や友人だって経験のある人が多い。


「永井さんは、どうしてこの企画に?」
「大きな理由はこれと言ってないですよ。タイミングがよかったから、かな」
「つまり、婚活されていて、同棲してみたいと思っていたということですか?」
「いや……」

 苦笑いをする永井さんを見て、初対面なのに質問を並べてしまっていることに気づき、私は慌てて頭を下げた。


「気にしないでください。これから三ヶ月とはいえ一緒に暮らすんだし、お互い必要以上に気を使わずにいきましょう」
「……そうですね。どうせなら楽しく」
「どうせなら?」

 今度は、私が質問を投げかけられて言葉に詰まった。初対面の人にどこまで話すべきか悩んでしまうからだ。


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