一夜の。


「え。水いらない?」

「それよりも話聞かせて。この1週間の。」


有馬ちゃんは息を整えながら言った。


「あ、そうだな。話すよ。」

有馬ちゃんは真剣な眼差しをこちらに向けている。


「まず、有馬ちゃんの事なんだけど 駅で今野に会ったって嘘だよね?

本当に会ったのは親父だろ。それに気づいて、親父を問い詰めた。

親父の計算はこうだ。


親父は会社のために 俺に親父が決めた人と結婚させて 会社を安定させる。

だけど 有馬ちゃんと俺には関係があって
親父は有馬ちゃんを俺から離せばいい。と考えた。



そこで取引先の今野を使ったんだ。
今野に 有馬ちゃんがあなたを好いていると嘘をついて、今野にも有馬ちゃんに好意を持たせた。


俺がいない出張の間に 親父は動いたんだ。」



有馬ちゃんはここまでの話を
相づちを打ちながら 聞いていた。

どうやら ここまでは親父から聞いているようだ。


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