一夜の。
好きだよ


「…んっ。」


車内には可愛い有馬ちゃんの吐息の混じった声だけが聞こえる。


「有馬ちゃん。…キス。うますぎ。」


「…言わないで。お願い。」


暗い車内で微かに見えるのは

有馬ちゃんの頬を流れる涙くらいだ。


「ホテル。向かっていい?」



有馬ちゃんは静かに頷いだ。



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