一夜の。


「俺も好きだよ。ミク。」


涙で頬を濡らしながら

俺の下で 別の男を想いながら


乱れる有馬ちゃんは それでも可愛くて


美しくて。


いつまでも抱きしめていたいくらい、小さかった。


「…か、たおかさん。」


有馬ちゃんが吐息交じりに

あいつの名前を呼ぶたびに 震える手で俺からの快楽逃れようとシャツを握りしめるたびに


本当はあの男に向けられたものなんだと 言い聞かせる。



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