一夜の。


「久しぶり〜。寂しかったよー。」


香水くさい女がベタベタ。


やっぱり今 有馬ちゃん以外の女を見ても

触れても何とも思わない。


「今日は忙しくなかったの?」

女が上目遣いで俺に聞いて来る。


こんな女と喋るより、有馬ちゃんと一緒にいる方がずっといい。





「俺 好きな人できた。

だから、もうこうやっては会えない。」

「え?」





_______________


パシン!


そんな音が鳴り響いた後、女は怒り狂いながら出て言った。


「あの子以外は 今 女に見えない。」


さすがに言いすぎたか。


「イッタ〜。」


もともとは遊んでた俺が悪いんだけど。

引き際は痛みを伴うってやつか。



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