カノジョの彼の、冷めたキス


「斉木さんとのこと知ったら、羨ましがる人いっぱいいると思います」

「そう、なんだ……」

「でも、渡瀬さんと斉木さんのことを目撃したっていう同期が、『後ろ姿見ただけだけど、すごくお似合いだった』って言ってました。斉木さん可愛いし、あたしもそう思います」

三宅さんがにこりと笑う。

そんなこと言ってくれる三宅さんのほうが、よっぽど美人だと思うけどな。


「ありがとう」

敵意の全くない三宅さんの笑顔にほっとする。

サバサバした性格で、職場では先輩後輩関係なく自分の思うことをはっきり言っている彼女だったから、ちょっと苦手なイメージがあったけど……

ふたりだけで話したらとてもいい子で、社内で男性社員に好かれている理由がわかった。


「斉木さん、また一緒にランチしましょう」

「そうだね。また行こう」

そんな約束をして、それぞれ午後の仕事に戻った。


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