愛しかた

浅野さんが連れてきてくれたのは小さな洋食店だった。名前に覚えが無いあたり、有名では無いのだろう。

「ここのオムライスが絶品なんだよ」とはにかむ浅野さんに少し驚く。
なんて可愛い笑顔なんだろう。台詞も笑顔も可愛いくて、つい此方も笑顔になってしまう。

「綺星の結婚はもう決まったの？」

二人でオムライスとサラダを頼むと、浅野さんはミネラルウォーターを飲みながらそれを聞いた。

あの二人の婚約話って、もう周知の事実なんだろうか。それともただ単に浅野さんがパパや綺星ちゃんと親しいだけだろうか。

それでもここで明け透けに答えることはしない。

「どうなんでしょうね」

この答えはちょっと無理があったかな。

「・・・京真は未だに彼方此方飛び回ってるし、まだ先のようだね」
「・・・浅野さん京真さんともお知り合いなんですか？」
「知ってるも何も、京真を紹介したのは俺だからね。知らなかった？」

嘘でしょ！？