愛しかた
けどまぁ良いかと結局チケットを見せる。

「時間はまだだな。優星、食事は?俺食事で出て来たところなんだよ」
「そうなんですか?何か召し上がりますか?」
「優星がよければ」
「構いませんよ。一人で軽く済ませようとしてましたから」

本当に私に同行するらしい浅野さんはもしやかなりの暇人だったりして。

なんてありえないだろうけど。

デートをすっぽかされて私を哀れんでくれたただの優しい律儀な男性なのか、暇潰しと面白半分に絡んでくる質の悪い男性なのか、この人の人なりを知らな過ぎる私には見極めることもできず。

「なら行こうか。今日食べたい物決まってるんだけど、いい?」

食べたい物が決まってる?人生で初めて聞いた台詞。つまりはその食べたい物の為にここへ来たってことなのだろうか。

「辛くない物ならいいですよ?」
「なら問題無いね」
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