星空シンデレラ

演劇部


「…じゃあ、お邪魔します」

そろっと教室に足を踏み入れると、中では五人の生徒が活動していた。遼夏の脱ぎ捨てられた制服をたたんであげていると、背が高くて、メガネをかけた爽やかな感じの男の人が声をかけてきた。

「いらっしゃい。キミが澪田 沙良さん?」

「はい…あれ、知ってるんですか?」

「はは、遼夏から話は聞いてるよ。見ての通り今日は地味な活動しかしていないけど、ゆっくりしていってね!
僕は部長で三年の、天海 流維(あまみ るい)だよ。よろしくね!」

天海先輩は爽やかに笑った。
そういえば、部長の話は遼夏から聞いたことがあったかも。
『のんびりしてるけど演技になると天才』だとか、『舞台の上ではマジで誰よりもイケメン』だとか…。
…そんなにすごい人なのかな。私はちょっと緊張しつつも頭を下げた。
綺麗な黒髪だけど、ところどころ寝癖がついてて、とてもそんな風には見えないけど…確かに、どことなくオーラのようなものは感じられるかも。
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