階段落ちたら異世界に落ちてました!
そんな風に穏やかに過ごした妊娠後期を乗り越えて無事に臨月まで迎えたある日。


予定日にはまだ早いはずと少しの違和感を感じるも今日もエドの膝上で決裁をしていたのだが。


30分後無視出来ない痛みが出始めたので、これが陣痛だと気づくとエドの腕をベシベシ叩いてしまった。


「まどか?」


覗き込んだ私の顔が苦痛に歪み息が荒くなるのを感じてやっと気付いたエド。


「まどか、産まれそうなのか?!」


「うっ、痛いぃ〜」

エドの膝上で丸まり始めた私にローレンスさんも一大事とアンジェリーナさんを呼びに執務室を飛び出した。


ローレンスさんの呼び出しにアンジェリーナさんが獣人型ミニサイズですっ飛んで来てくれた。


「まどか様!産気づいたんですね。産婆を呼んでおります。産み所まで移動しましょう。」


そういうが早いかエドの上からサラッとアンジェリーナさんが私を抱き上げるとすたこらさっさと産み所まで移動。



「陛下といえど産み所は男子禁制ですからね!ここでお待ちください!」


と締め出し鍵をかけた上に上級結界を張りました。
しかも男子禁制なので産婆さんや女性は通れる。
何とも便利な結界でこれは産み所に仕掛けられていて竜人族の番は皆ここで出産するそうだ。

番が命の男性陣は突撃してくるのでその為の処置がなされたこの部屋が代々竜人族の番のお産場所になったそうです。
どこまでも番が命な竜人族の男性達。
うん、愛されて幸せだけど、出産くらいは大人しく待ってなさいよと思わなくもない。


この処置が施された部屋に感謝しか浮かばないのはもちろん言うまでもない。

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