【BL】今日も僕はストーカーされる。
ぐるぐるぐるぐる。
叶汰先輩!!うふふふ。あははは。
なんてメルヘンな事を考えているのはおめでたい頭のコイツだけで、僕はと言うと目を合わせたくないから新の制服と睨めっこ。だから気づかなかった。新がイライラしてた事に………
「ッチ!うぜぇぇええ!!!!」
頭の上から響く怒りの声と同時に「ぎゃっ」と言うアイツの声。何事かと制服から目をはなせば、アイツの頭を鷲掴みにする新がいた。
「なにすんだ!!クソ野郎!!」
「誰に向かってもの言ってんだクソガキ」
「ぁ、いだだだだだ!!」
「しまってる!しまってるぅ!!」と涙目で新に訴えるアイツはそう、僕のストーカー。
「てめぇ、また叶汰にちょっかいを出しにきたのか?!」
「クソ野郎には関係ないだろ!!」
「だから!!!!言葉遣い気ぃつけろや?」
「いだだだだだだだ!!!!」
ぎっちぎちにしめる新の握力に呆然と目を向けてると、涙目のアイツが「助けてください」と目で訴えてきた。
流石に僕も可哀想になって、だらしなく出てる新のシャツの裾を引っ張り静止を求めるとチッ舌打ちしたのち、握力を緩めたのが分かった。
「せんぱい、ぐすん」
あーあ、泣いてる。相当痛かったのだろう。掴まれた頭は真っ赤だった。