【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1


嗚呼、やっぱり、今も昔も兄貴を救うのは、あの女なんだなと思った。



『女をナメんじゃない!』


凛としたその姿は生まれ変わってなおも変わることなく。


常に前を見据えて、彼女は進む。


例え、行き着く先が地獄でも。何であろうと、止まらない。


自身の身を犠牲にしても、足が傷だらけになっても、一人で歩いていこうとする強さ。


それは、使えてきた主、月姫にそっくりで。


だから、みんな、慕ったんだ。


日だまりのように、柔らかく笑う彼女に。


『草志には、黙っててね?』


みんなが騙された、彼女の偽物。



それが、彼女なりの精一杯の嘘だったのだと……娘を、草志を守るための最善だったのだと知ったのは、夕蘭が死んで、何年とたった頃。


< 123 / 425 >

この作品をシェア

pagetop