【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1


(……柚香の方が、十二分に凄いんだけど)


そう言いたくても、本人から否定されれば、何も言えまい。


「思わず、聞き惚れちゃったよ!ねぇ?水樹、氷月!…相馬も聞いてた?」


「うん、凄かった。ピアノ、弾けたんだね?」


拍手をしながら、水樹が言う。


「一応ね」

「お嬢様の嗜み、みたいな?」

「うーん、父さんはそんなことに拘る人じゃないからなぁ……違うと思うけど。まぁ、ねえ?役にはたったんだから、感謝だわ」


「だね」


久しぶりにあの父親が、自分の父親で良かったと思った。


普段からいい加減で、自分にそっくりな父親だが、やることはちゃんとやる。


もしかしたら、こうなることも予想してかもしれない。


昔から、私が望んだことはなんでも叶えてくれた。


まぁ、勿論、母さんの二の次だったわけだけど。




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